ヘルペスの症状と治療
ヘルペスには、単純ヘルペスと水ぼうそう、帯状疱疹など8種類あります。ここでは、水ぼうそうと帯状疱疹についてご説明しています。
口唇ヘルペス、陰部ヘルペスについてはこちら⇒単純ヘルペス
水ぼうそうと帯状疱疹はどちらも同じウィルスを原因とします。このウィルスに初感染したとき水ぼうそうと呼びます。ウィルスは、単純ヘルプすのウィルスとは別の種類で、水痘・帯状疱疹ウイルスといいます。
通常子供の頃に感染し、水ぼうそうを経験しますが、その時免疫が出来て2度と水ぼうそうにかかることはありません。しかし、その後ウィルスは知覚神経の根元(神経節)に居座り続けまて、免疫力の弱った時などに再活性化しますがその場合は帯状疱疹と呼ばれます。
水痘・帯状疱疹ウイルスは飛沫感染(ひまつかんせん)・空気感染によって広がります。せきやくしゃみと一緒に飛沫が飛び散り、感染する病気です。
通常小児が感染した場合、軽い症状ですみますが、成人になって初感染した場合や免疫の低下した人が感染すると、重症化することが多く、400人に約1人の割合で肺感染症が起こります
水ぼうそうの症状
水ぼうそうの症状は軽い頭痛、中度の発熱、食欲低下、全身のけん怠感など。小児にはこれらの症状はあまり現れないことが多いです。しかし、成人した大人の場合、しばしば症状が重くなります。
症状は感染してから10?21日後に現れます。一番多いのは2週間(14日)です。
帯状疱疹の症状
水痘・帯状疱疹ウイルスに初感染した時は、水ぼうそうとなり、その菌が体内に残り、再発すると帯状疱疹となります。お腹から背中にかけて帯状に水ぶくれが現れるのでこの名前がついた病気です。
一般的に、体の左右どちらか一方に現れますが、病気など免疫力が低下している時には帯状のものに加えて水ぼうそうのような水ぶくれが全身に出る事もあります。
帯状疱疹のウイルスは神経を通って皮膚に出てくるため、激しい痛みを伴うことが多いのも特徴です。
水ぼうそうや帯状疱疹の診断は、その皮膚症状から行います。
検査はほとんど行わないですが、診断を確定するために水泡を切って、血液検査や病理組織検査をしてウイルス抗原検査をすることもあります。
帯状疱疹の治療方法ですが、抗ウイルス薬の投与になります。
帯状疱疹に効く抗ウイルス薬は数種類ありますが、特に高齢者や免疫機能の低下している人に投与されます。これは病気を直接治すための薬ではなく、症状を緩和したり治りを早める効果を期待して利用されます。
まれにですが、非常に痛みが強く我慢できない場合には、鎮痛剤も使うことがあります。
痛みを我慢できない方は相談してみると良いでしょう。
帯状疱疹にかかった場合、お風呂は我慢をしてシャワーにしてください。また常に肌を清潔に保ち、乾燥した状態を保つ事で、細菌による二次感染症を防ぐ事ができます。
皮膚の症状が治っても、痛みが続く事がままあります。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹ウイルスに感染した神経が支配する皮膚領域に慢性的な痛みが残る事があります。この痛みは長い時には、帯状疱疹後数ヶ月から、数年にわたることもあります。その痛みも常にあるわけでもなく、突然起こったり、夜間にひどくなったり、症状はさまざまですが、そのメカニズムはまだよくわかっていません。
帯状疱疹後神経痛は、主に高齢者に起こりますが、50歳以上では20〜50%というデーターもありますが、激しい痛みを訴える程の方はそれほどほおくありません。しかし、10〜20%の方が1年以上痛みが続くことがあります。
この痛みはほとんどが軽く、治療を要するほどの方はごく少数と言うことです。